大雨や気温上昇の影響で,米どころにも被害が出ています。
被害が最小限に食いとどめられるよう,お祈りいたします。
実りの秋です。そろそろおいしいお米が手に入る頃ですね。
お米を作るには「八十八」もの工程がかかると言われているほど,手間暇かけて大切に育てあげられる米。
自給自足の面だけでなく,
日本の田園風景は美しく,大切に残して欲しいと願っています。
さて,今回はデータの基本的なことについて少しお話しします。
🌺3種類のお米 A,B,C について,次のような食味チャートがあったとします。
あなたはどのお米を選びますか?
(評価項目はグリーンコープの食味チャートを参考にしました)
💚皆さんはこのチャートのどこを見て判断しましたか?
「甘み」「粘り」などの評価項目や,0~5のスコアを見ますよね。
そして,自分好みのお米はどれだろう,って探します。
気を付けてもらいたいのは,チャートの下の「評価:〇さん」というところ。
これ,3種類のお米を,それぞれ別の人が評価しているんです。
味の感じ方は,人によって異なります。
それぞれ別の人が評価していたら,本当は比べようがありません。
参考程度ということで納得して見るのは,もちろん構いませんよ。
💛子どもが何かを買ってもらいたいときに よく言うのは「みんなが持ってるから」
それに対して親は「みんなって,何人のこと? 持っていない人もいるでしょう!」
これと同じようなことがよく起こっています。
世の中で出回っている「調査」,
例えばアンケート調査,聞き取り調査,世論調査,物を買ったときの☆の評価,などなど。
本当にみんながそう考えているの?
さらには,みんなが考えたりしたりすることが,本当に正しいの?
私たちはオモテに出された数値やニュースの見出ししか見ないで「そうなのか~」なんて
思うことがあるけれど,それは危険!
では,調査の例を挙げてみますね。
「好きな色は何ですか」という問いかけに対して,
10代女性と60代男性が答える色が同じとは考えにくいですね。
もし仮に,調査する人が「ピンク」という答えを強く望んでいたら,
そのような回答をしてくれそうな年代・性別を回答者として多く選ぶこともあり得ます。
また,選択肢について,
・選択肢 無し (←ピンクが出てくる可能性は低くなる)
・選択肢が 「ピンク」「赤」「青」「黄」「緑」 (←選択肢にピンクがあることに
より,出てくる可能性は高くなる)
・選択肢が 「ピンク」「黒」 (←選択肢が2つになって,可能性はさらに高くなる)
・選択肢が 「ピンクが好き」「ピンクが嫌い」 (←色がピンク一つに絞られた)
・選択肢が 「ピンクが好き」「ピンクが嫌い」「どちらでもない」
(←「どちらでもない」という真ん中の選択肢が
入ると,それを選ぶ人が増える傾向がある)
・選択肢が 「ピンクがとても好き」「ピンクがまあまあ好き」「ピンクは好きではない」
(←選択肢のうち2つが「ピンクが好き」となっており,これはずるい)
など,色々ありますね。
ですから,調査結果を見るときには,
・調査時期
・調査対象の選び方(年代,性別,地域,好きなもの,考え方などが偏っていないか)
・調査対象の人数(少なければ意味がない)
・調査の詳しい内容(どのようなたずね方をしたか,選択肢はあるか,
あるならそれはどのようなものか)
なども合わせて見る必要があります。
また,その結果を分析し公表する側の表現にも
注意を払う必要があります。
例えば「お小遣いが10円増えた」は大きな変化か小さな変化か,
表現者によって異なります。
「支持率が大幅アップ」なんて書かれていても,実際の値を見ると小さくて,
誇大表現として報告したくなることも…… (>_<)
「データ改ざん」なんてニュースをよく見ますが,データ集めのところから
おかしいこともあり,
また,正しい集計をしていても,表現がおかしいこともあります。
どこかがおかしければ,公正な結果は得られません。
活字になったり報道されたりすると,なんだか正しいように感じるかもしれませんが,
出回っているもの全てをうのみにせず,自分の目で確かめることが必要です。
見えているものだけでなく,見えていないものに意識を向けることが大切です。
今後,そういう目で調査などを見るようにすると,見る目が鍛えられますよ !(^^)!
自分が何かの調査をするときにも,知っておくといいですね (^^♪
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