先日,庭で どさっ という音がしたので見てみると,上から何かが落ちてきたようです。
様子を見ていると,なんと,玉虫!
玉虫が木の葉に止まっているではありませんか!
憧れの玉虫,学校で法隆寺の「玉虫厨子」の学習をした時から,
玉虫厨子も玉虫も見たくてたまりませんでした。
写真中央にいます。分かりますか?
高校まで田舎に住んでいたのに,玉虫には出会ったことがありませんでした。
それなのに,玉虫からやってきてくれるなんて,感激です!
(2年前はベランダに,今回は庭に来てくれました。)
ということで,今回は玉虫と,玉虫厨子について,簡単にご紹介。
🌺まずは,玉虫。
全体に緑色の金属のような光沢があって,
背中には赤と緑の筋が入っています。
その色は構造色によるもので,死後も色あせません。
こんな美しい色の虫がいるなんて,しかも色あせないなんて,神様の作った奇跡ですね!
🌳構造色って?
CDやシャボン玉をイメージしてもらえば分かりやすいです。
それ自身には色がついていないけれど,その構造によって光が干渉して色づいて見え,
見る角度によって様々な色彩が見られます。
クジャクの羽,アワビなどの貝の内側,宝石のオパールなどもそうです。
どんなものがあるのか,自由研究で調べてみるのも楽しいですよ。
オパール
🌺次は,玉虫厨子。
聖徳太子が建立した法隆寺にある国宝です(飛鳥時代)。
推古天皇の愛用品と言われています。
「厨子」とは,仏像,仏画,舎利,経典などを安置する屋根付きの入れ物です。
装飾に玉虫の羽を使用していることからこの名がついています。
上部の柱や宮殿入口部分に細工され,虹色の縞模様を見せる玉虫の羽が入れられて
おり,それを唐草模様の透かし彫りの金具で重ねています。
現在では玉虫の羽のほとんどが失われて確認できないようです。残念!
厨子のあちらこちらには仏教絵が描かれています。仏教の教えをちりばめ,当時の
粋(すい)を尽くした素晴らしい工芸品です!
レプリカも作られていて,復刻版と平成版があるようです。
復刻版は実物が忠実に再現されているのに対して,平成版は蒔絵や錺(かざり)金具の
奧にも玉虫の羽が数多く使われ,高蒔絵技法もふんだんに用いられています。
現代の最高技術が遺憾なく発揮されていて,色彩豊かで豪華です。
そして,想像していたよりはるかに精緻で繊細で美しい!
1,300年の時を超えても色あせることのない玉虫の色,今の私でも美しいと思うのですか
ら,当時の人たちにとってはどれほどだったでしょう!
推古天皇がどのように使っていらっしゃったか,想像してしまいますね💗
今は感染症やシェディング,放射能を避ける
ために自粛生活をしていますが,
法隆寺や中宮寺をはじめ,奈良や京都をまた
ゆっくり見てまわれる日が来ますように!
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