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線香花火

執筆者の写真: kibou7kateikyoushi
kibou7kateikyoushi
8月29日
読了時間: 3分

更新日:9月3日






夏の夜を彩る花火,各地で花火大会が催されましたね。夏の楽しみの一つです。

子供の頃は,よく花火セットを買ってもらっては遊んでいました。好きだったのはドラゴンと線香花火。

今回は,その線香花火について見ていきましょう。      

  


🎇線香花火は東西で異なる


皆さん,「線香花火」と聞いて思い浮かべるのは,下の写真のどちらでしょうか。


上:長手牡丹    下:スボ手牡丹
上:長手牡丹    下:スボ手牡丹


私が思い浮かべるのは,下の「スボ手牡丹」なんです。幼い頃から線香花火はずっと

スボ手牡丹で,大きくなってから上の「長手牡丹」を目にするようになりました。

スボ手牡丹の火の玉が落ちやすくなったなぁ,と感じていましたが,気のせいではなかったようで……。

現在,国内でスボ手牡丹を製造しているのは福岡県の1社だけになってしまいました。

国産の,伝統を守って丁寧に作られた線香花火,久しぶりにやってみたくなります。




🎇西の線香花火:スボ手牡丹


300年変わらない線香花火の原形です。線香花火は,ワラスボ(藁すぼ:稲藁の芯)の先に

火薬を付けたのが始まり。それを香炉や火鉢に立てて火をつけて遊んでいたようです。

(その姿が仏壇の線香に似ていたことから,「線香花火」と呼ばれるようになったとか)

米作りが盛んな関西地方には藁が豊富にあったため,このスボ手牡丹は関西地方を中心に

親しまれてきました。


着火の際はワラスボの端を持って風下に向けます。花火の先端を斜め上に傾けて,身体からできるだけ離して花火の先端にろうそくで火をつけます。火先を上向きにして持つと良いそうですよ。



渓斉英泉『夏の夜の女と子』         (ボストン美術館)
渓斉英泉『夏の夜の女と子』         (ボストン美術館)


🎇東の線香花火:長手牡丹


線香花火が関西から伝わる際,関東地方では米作りが

少なく紙すきが盛んだったため,ワラの代用品として

紙で火薬を包んで作られました。

そのため,この長手牡丹は関東地方を中心に

親しまれ,その後 全国に広がっていきました。


スボ手牡丹に比べて燃焼時間が長いのが特徴です。









🎇線香花火の燃焼は4段階




(つぼみ)


  着火直後。

  火薬が溶け切らず,まだ火花が出ない段階。





                ● 牡 丹

 

                 火薬が液体化し,内部に気泡が発生。

                  破裂して飛び出す雫が火花に。





松 葉


  飛び出した雫にさらに泡が生まれ,次々に

  弾けて四方に火花が飛び散る最盛期。







                ● 散 り 菊

 

                  泡の材料が尽き,火花が出なくなり,小さく静かに

                  消えていく終幕。




🎇静けさに宿る物語


線香花火に使われる火薬は,松煙(松の木のすす),硫黄,硝酸カリウムという

黒色火薬の基本構成で,使用量はわずか 0.08g 。江戸時代からずっと変わっていません。

その火薬が,燃焼温度の変化によって4つの異なる火花を生み出すのです。

どの段階も味わい深い呼び方と燃え方,まるで人生を見ているようですね。

はかなく美しい線香花火,この夏 楽しんでみてはいかがでしょうか。


          参考・引用:筒井時正玩具花火製造所

                      note『日本人が愛した,燃え尽きるまでの4つのドラマ


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