線香花火
更新日:9月3日

夏の夜を彩る花火,各地で花火大会が催されましたね。夏の楽しみの一つです。
子供の頃は,よく花火セットを買ってもらっては遊んでいました。好きだったのはドラゴンと線香花火。
今回は,その線香花火について見ていきましょう。
🎇線香花火は東西で異なる
皆さん,「線香花火」と聞いて思い浮かべるのは,下の写真のどちらでしょうか。

私が思い浮かべるのは,下の「スボ手牡丹」なんです。幼い頃から線香花火はずっと
スボ手牡丹で,大きくなってから上の「長手牡丹」を目にするようになりました。
スボ手牡丹の火の玉が落ちやすくなったなぁ,と感じていましたが,気のせいではなかったようで……。
現在,国内でスボ手牡丹を製造しているのは福岡県の1社だけになってしまいました。
国産の,伝統を守って丁寧に作られた線香花火,久しぶりにやってみたくなります。
🎇西の線香花火:スボ手牡丹
300年変わらない線香花火の原形です。線香花火は,ワラスボ(藁すぼ:稲藁の芯)の先に
火薬を付けたのが始まり。それを香炉や火鉢に立てて火をつけて遊んでいたようです。
(その姿が仏壇の線香に似ていたことから,「線香花火」と呼ばれるようになったとか)
米作りが盛んな関西地方には藁が豊富にあったため,このスボ手牡丹は関西地方を中心に
親しまれてきました。
着火の際はワラスボの端を持って風下に向けます。花火の先端を斜め上に傾けて,身体からできるだけ離して花火の先端にろうそくで火をつけます。火先を上向きにして持つと良いそうですよ。

🎇東の線香花火:長手牡丹
線香花火が関西から伝わる際,関東地方では米作りが
少なく紙すきが盛んだったため,ワラの代用品として
紙で火薬を包んで作られました。
そのため,この長手牡丹は関東地方を中心に
親しまれ,その後 全国に広がっていきました。
スボ手牡丹に比べて燃焼時間が長いのが特徴です。
🎇線香花火の燃焼は4段階

● 蕾(つぼみ)
着火直後。
火薬が溶け切らず,まだ火花が出ない段階。

● 牡 丹
火薬が液体化し,内部に気泡が発生。
破裂して飛び出す雫が火花に。

● 松 葉
飛び出した雫にさらに泡が生まれ,次々に
弾けて四方に火花が飛び散る最盛期。

● 散 り 菊
泡の材料が尽き,火花が出なくなり,小さく静かに
消えていく終幕。
🎇静けさに宿る物語
線香花火に使われる火薬は,松煙(松の木のすす),硫黄,硝酸カリウムという
黒色火薬の基本構成で,使用量はわずか 0.08g 。江戸時代からずっと変わっていません。
その火薬が,燃焼温度の変化によって4つの異なる火花を生み出すのです。
どの段階も味わい深い呼び方と燃え方,まるで人生を見ているようですね。

はかなく美しい線香花火,この夏 楽しんでみてはいかがでしょうか。
参考・引用:筒井時正玩具花火製造所,
note『日本人が愛した,燃え尽きるまでの4つのドラマ』
.png)


コメント