🍎 夏の夜空に一瞬で広がる巨大な華と,一拍遅れて全身に響く空気の振動。
言わずと知れた花火ですね。
花火が広がった瞬間から,花火の音が遅れて聞こえてくる原因は,
「光と音の速さが違うから」です。
光の速さはおよそ秒速 30 万キロメートル(よく地球 7 周半と例えられるアレです),
一方,音の速さは一般的に秒速 340 メートルと認識されているのではないでしょうか?
2つの速さを比べてみると,文字通り桁違いの差があります。
普段の生活において,この速度差を意識する場面は少ないと思いますが,花火はまさに,
この速度差を体感できる機会なのです。
そして,花火が開いた瞬間から,音が届くまでの時間をカウントすれば,花火との距離が
分かるのです! (雷でも同様です)
ところで,本題に入る前に,音の速さの認識を深めておきましょう。
「音の速さは秒速 340 メートル ( 340 m/s )」というのは,間違っているとは
言いませんが,正確ではないのです。
高校物理基礎の教科書にも載っている計算式,
音の速さ V [m/s] は,気温 k [℃] のとき V = 331.5 + 0.6k
この式によると,
我々がよく知る音の速さ 340 m/s が成り立つのは,気温 14.2 ℃ のときで,
気温が下がると音が遅くなり,気温が高いと音が速くなるわけです。
ちなみに,夏の夜の気温を 30 ℃ と仮定すると,
音の速さは 349.5 m/s …… およそ 350 m/s になります。
さて,本題に戻りまして
気温 30 ℃ のとき,花火が見えてから音が届くまでの時間差が t [s] のとき,
花火までの距離 L [m] の概算は, L = 350t
となります。
といっても,これは花火との距離であって,「花火を打ち上げている地点との距離」を
計算するには,ひと手間ふた手間かかるのですが……。
花火のサイズを考えるところからなので,なかなか骨が折れそうです。
『日本の花火』と『中日新聞』さんの Web ページに,参考になりそうなものが
ありましたので,気になったら計算してみてはいかがでしょうか?
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