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  • 執筆者の写真kibou7kateikyoushi

和算 ~日本の誇る数学~ 小町算

更新日:3月22日


2学期が始まり,授業が進むようになりましたね。

自宅学習の勉強の前や合間に,頭の体操や気分転換

に,「小町算(こまちざん)」に挑戦!


数を使った遊びを時々ご紹介していますが,これらは計算力だけでなく,想像力,数に対する感覚などを,

                 遊びながら身につけられますよ (^^♪



今回の「小町算」は,「小野小町」にちなんだ数遊びです。


小町算のルールは次の通り。

 ・1から9までの数を順に並べて使う

 ・数と数の間に +,-,×,÷,空白などを入れて,100になるように式を作る

   (「空白」とは,「隣り合った数をくっつけて使う」ということ)



🌺例

   1+2+3ー4+5+6+78+9=100

   123-45-67+89=100

   1×2×3×4+5+6+7×8+9=100


イメージがつかめましたか?




場合によっては

 ・ ×,÷ を使わない

 ・( ),べき乗,平方根,階乗などを使ってもよい

      (べき乗,平方根,階乗についての紹介はこちら


 ・右辺を100 だけでなくいろいろな値に変える

 ・左辺を逆順にする(9から1まで大きい順に並べる)


など,ルールを変えてもいいですよ。皆さんでやってみてくださいね!




🌷私がこうして記事を書いている間にも,若手の講師たちはいくつも式を作って

  しまいます。

  ここでも一番楽しそうにしていたのが「物理や」さん。あっという間に10個ほど

  出してくれました。

 その中の一つで,やや複雑なのがこちら。(階乗と平方根を使っています)

 この手の問題は小さい頃から大好きだそうです (^.^) 







🌸では,なぜこれが「小町」算なのでしょうか?

  気になる名前の由来についてです。



💚まずは小野小町について

  小野小町は平安時代の歌人です。

 絶世の美女と言われ,日本では世界三大美女の一人とされています。

 (あとの二人は,古代エジプトのクレオパトラと中国の楊貴妃)


  小倉百人一首に選ばれている歌

  「花の色は うつりにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせし間に(古今集)」

 は有名ですね。

  花に寄せてわが身の容色の衰えを嘆いたもので,その穏やかな嘆きには人を引き付ける

 ものがあります。

  掛詞・縁語・倒置法などの表現技巧にも優れていて,百人一首の選者である藤原定家が

 賛美したのもうなずけますね。


  私が持っている百人一首かるたの絵札には 後姿の小町の絵が描かれてありました。

  美しすぎて描くことができないからだそうです。


 ということで,

  「1から9までの数が美しく並んでいて,小野小町のように美しい式」

  だからです。



💚次に,なぜ「100」?

 美しい小町に恋した男性も多く,その中の一人が深草少将

  でした。

 深草少将は小町があきらめきれません。

  小町に,「百夜のあいだ,一夜も欠かさずに私のもとへ通って

 きてくださったら,あなたの望みを叶えましょうと言われ, 

  雨の日も雪の日も歩いて小町のもとへ通いました。

  そしてついに望みが叶う夜目に、力尽きて亡くなってしまっ

  たと伝えられています。

 この話にちなんで「100」。



💚その他にも,

  「小町算」がおもしろくてはまってしまうと,時間の経つのも忘れてしまうので,

 これに没頭すると(小町の歌のように)知らないうちに年を取ってしまう,というのも

  聞いたことがあります。



小野小町については,いつどこで生まれ,どこで亡くなったか,どこで過ごしたかなども,はっきりしたことが分かっていません。

あるのは,小町の詠んだ美しい和歌と,数々の小町伝説。謎に包まれた小町。

これも小町に魅力を添えているのかもしれませんね。

今までの数遊びに比べると式が長くなりますが,それだけに達成感も一入(ひとしお)。

静かな夜に虫の声を聞きながら,小町算や古典文学に触れてみるのもいいですね!




💛他の和算の記事はこちら

 ・鶴亀算

 ・俵杉算


💛他の数遊びの記事はこちら






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