和算 ～日本の誇る数学～ 盗人隠し

今日（11月７日）は立冬。冬の気配を感じ始める頃です。朝晩は冷え込むようになってきた

ので紅葉が進み，ドライブコースのイチョウが見頃です。

　（イチョウの葉がたくさん落ちて地面に積もると，小さな落とし物は見つけにくい！ (^^; )

快適な秋は今年も短かったです😅 知人からは初雪の便りが届きました。

皆様，暖かくしてお過ごしくださいね。

🌿さて，今回は 和算の中から「盗人隠し」の問題をご紹介します。

　 柳亭種彦（りゅうていたねひこ）の『柳亭記（りゅうていき）』からの問題です。

　そもそも盗人を隠すという設定から 笑ってしまいそうです (^^ゞ

　 木の葉を隠すなら森の中，盗人を隠すなら番人の中！🤭

🌺問題１：唐と日本の国境の沖に 船改めの番所がある。

　　　　　 四方をそれぞれ７人で見張る（七人番所）。

　　　　　 ある時，８人の盗人が来て，かくまってほしいと

　　　　　 いう。

　　　　　 番人の中の才覚のある者が，７人見張りを増やさず

　　　　　 ８人を隠した。

　　 さて，どのようにしたのだろうか。　

🧡最初の番人の配置が，下図のようになっているとして

　考えることにしましょう（『柳亭記』に描かれている図です）。

　四方どこから見ても番人が７人になっています。

なぜ盗人が番所に「かくまってほしい」と来るのか，そして なぜ番人は盗人を隠してやる

のか？？？

不思議なお話ですが，まあ細かいことは置いといて，どのように人を配置すれば８人を

隠せるのか，考えてみましょう！

💛答え

うまく隠せましたか？

ここでは いきなり８人隠しましたが，『柳亭記』では

まず １人を隠した図が描かれてあります

　　　　 （下図左ページ上の図）。

隠す人数を，１人，２人，３人，……と，順に増やして

いっても楽しいですよ (^-^)

柳亭種彦『柳亭記』,写. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2533603 (参照 2025-10-09)

🌿盗人を隠してやるほどの番人なので，その隊長はきっと優しくて，部下思いでも

　 あるでしょう。

　ということで，おまけの問題にいってみましょう！　

🌺問題２：番所では，夜は下図のように 28人で見張りをしている。

　　　　　 あるとき，隊長は４人を休憩させてやろうと思った。

　　　　　 四方どこから見ても番人が９人であることは変えないで，４人減らすには

　　　　　 どうすればよいか。

💛答え

解けましたか？

問題１よりも，こちらの方が簡単だったかもしれませんね。

自分で数を変えて楽しんでみてください (^^)/

ちょっとした時間にできる遊びです。

 参考文献：『頭のよくなる数学パズル』仲田紀夫（1994）三笠書房