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「㎠」と『方丈記』 ~単位について~ 

執筆者の写真: kibou7kateikyoushikibou7kateikyoushi


このところずっと,週末は雨。梅雨の時期とはいえ,不自然さを感じるのは私だけで

しょうか……。

庭の額紫陽花(がくあじさい)「隅田の花火」が咲きました。

花の様子が,隅田川に打ち上げられた花火のように見えることから 名付けられました。

なるほど,その通り! と,うまいネーミングに惹かれて購入し,もう 20 年以上経ちま

した。

近頃の環境の悪化もあって 植物がさらに育ちにくくなっている中,毎年きれいな花を

咲かせてくれて,嬉しいです。



さて,タイトルに出てきた『方丈記』,鴨長明(鎌倉時代)の作品です。

                             (日本三大随筆の一つ)

有名な冒頭の部分を挙げておきますね。

内容もさることながら,原文の,力強い文章が好きです。

現代語訳してしまうと その良さが失われてしまうので,ぜひ原文を,

声に出して読んでみてくださいね。よい文章は,読みやすいものです。

 

    ゆく河の流れは絶えずして,しかももとの水にあらず。

    よどみに浮かぶうたかたは,かつ消え,かつ結びて,

    久しくとどまりたるためしなし。

    世の中にある人とすみかと,またかくのごとし。


鴨長明は色々な災害に遭っています。

大火災・竜巻・飢饉・疫病・大地震・遷都・壇ノ浦……。

今に通じるものがありますね。

『方丈記』,このあと どこで登場するか お楽しみに (^^♪




🌳さて,今回は「単位」についてです。

  単位には,個数・時間・長さ・重さ・速さ・距離・面積・体積など,

  小学校から たくさん学習してきましたね。「この単位,何だったっけ?」なんて

 思ったこともあるのでは。

  ここでは,単位を一緒に計算することをご紹介します!



💛では,まずは基礎知識から。



                ※「指数」は以前の記事でもご紹介しましたね




🌸いくつかの例で,実際に計算してみましょう (^^)/


●足し算・引き算


  💗問題:花子さんは りんごを3個,太郎さんは りんごを2個持っています。

       2人の持っている りんごを合わせると何個になりますか。

  

  💚答え:3個+2個=5個 


  ※ 単位が同じものを一緒に計算します。




割り算


  💗問題:太郎さんは5㎞ の道のりを2時間で歩きました。歩く速さを求めましょう。


  💚答え:

   ※ 最後に見慣れた単位が出てきましたね。

     「2.5 ㎞ / 時」は「1時間当たりに 2.5 ㎞ 進む速さ」ということです。




  💗問題:花子さんが買い物に行きました。りんご5個を 700 円で買いました。

       りんご1個は何円でしょうか。


  💚答え:


   ※ 「140 円 / 個」は「1個当たりの値段が 140 円」ということです。  

     単位を付けると,これはけっこう難しいのです。問題文に「1個は何円か」とあり,

     「1個当たり」という意味の文が書かれてあるので,

     小学校からずっと,答えは「140円」と書いてきましたよね。




  💗問題:袋の中に 赤玉3個,白玉2個が入っています。この袋の中から

      1個の玉を取り出すとき,取り出した玉が赤玉である確率を求めましょう。


  💚 玉の取り出し方は全部で 5通り

    このうち,取り出した玉が赤玉である場合は 3通り

   よって,求める確率は

  ※ 単位も約分して,ここでは消えてしまいます。

    



●かけ算


  💗問題:1個の値段が 150 円のお菓子を3個

        買いました。合計金額を求めましょう。


  💚答え:

   ※ 「1個の値段が 150 円」は「1個当たりの値段が 150 円」ということですね。  

     約分で「個」が消えて,めでたく単位は「円」になりました!




  💗問題:縦2㎝,横3㎝ の長方形の面積を求めましょう。


  💚答え: 

 ※ 「cm」で一つの単位なので,「c」と「m」を離して考えることはしません。

 

  💛「㎠」は「平方センチメートル」と読みますね。

   「平」は「平面」,「方」は 「四角形」 の意味があります。

    つまり,「平面の四角形」の面積の単位として「平方」を使っています。

   数学で「平方」といえば,「2乗」のことです。

     立体の体積の単位の一つは「㎤」と書いて,「立方センチメートル」と読みます。

   「立」は「立体」の意味です。

   数学で「立方」といえば,「3乗」のことです。



   🌳ここで『方丈記』の登場です (^^)/

     「方丈」とは,「一丈四方」(「一丈」は約3m,「一丈四方」は一辺が約3mの

    正方形)の面積のこと,あるいは その広さの部屋や建物のことをいいます。

    「方」が,先ほどの問題と同じ意味で使われていますね。

   

    それにしても,鴨長明さん これほどたくさんの災害を経験するなんて……。

    四畳半ほどの小さな庵で,心もとない生活だったのではないでしょうか。

    無常観を抱くのも,納得できますね。




🌸単位も一緒に計算するようになると,「㎞」と「m」など異なる単位のものは,

  約分できなくて うまくいかないことが分かってきます。

 「単位をそろえる」というのは,計算する上で必要なんです。


  高校の理科で,答えを選択肢から選ぶ問題で,全く答えが分からないときは

  選択肢の答えの単位を調べていました。

  求める答えの単位とは異なるものを どんどん消していくと,選択肢が絞られてくるん

です。

  そうすると,当てずっぽうで選んでも,当たる確率が大きくなりますから (^^ゞ



💛ここで挙げた以外の単位も,ぜひ数値と一緒に計算してみてくださいね。

  単位が身近に感じられますよ 💕







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