桐の花の季節は過ぎてしまいましたが,私の大好きな花の一つです。
紫色の花は空に向かって力強く咲き,
花の後は2~3㎝ほどの実をつけます。
まるで神楽鈴のようです。
(神楽の笛の音を聞くと心が沸き立ちま
す (^^♪ )
桐は,伝説の霊鳥である「鳳凰(ほうお
う)が宿る木」とされ,
古くから神聖な木として扱われてきたよ
うです。
菊と同様,皇室の紋章や硬貨の絵柄にも使われていますね。
桐は軽くて丈夫で水分も通しにくく,断熱性にも優れているので,木材としても良質です。
昔から「女の子が生まれると桐を植える」という風習があって,それで嫁入り箪笥(たんす)を作ったのだそうです。
私が生まれたときには,植えていないのに桐が生えてきて,毎年きれいな花を咲かせてくれ
ました。箪笥は作れませんでしたが,本箱を作ってもらいました。私の宝です。
🌳さて,本題です!
以前,「自然数・整数・正の数……」で 色々な数について書きましたが,
それらの分類とは異なるもので,今回は「完全数」をご紹介します (^^)/
教科書には出てきませんが,なかなか興味深い数なんですよ。
💛一番身近な自然数,それらの持つ色々な性質は,古代から多くの人が関心を持って
考察や研究をしてきました。
数の分類も,「自然数・整数・正の数……」でご紹介した数以外に,
整数を偶数・奇数に分ける,素数・平方数・立方数など多岐にわたります。
それらを最も系統的にまとめられてある最古のものが,古代ギリシャ時代の
ユークリッドの『原論』です。その中に「完全数」が出てきます。
紀元前から考察されていたんですね。
その「完全数」,具体的な数で見ていきましょう!
🌷例 : 6について
6の約数は,1,2,3,6 の4個。(約数:ある整数を割り切ることのできる整数)
このうち,6自身を除いた数を足し合わせると
1+2+3=6
元の数6と同じになります。
このように,自身を除いた約数の総和が
元の数と一致する数を「完全数」といいます。
🌸問題1
10と12は完全数かどうか調べましょう。
💚答え
〇10について
10の約数は1,2,5,10 の4個。
このうち,10以外の約数の和は
1+2+5=8
元の数10にならないので,完全数ではない。
〇12について
12の約数は1,2,3,4,6,12 の6個。
このうち,12以外の約数の和は
1+2+3+4+6=16
元の数12にならないので,完全数ではない。
🌸問題2
6の次に大きい完全数を探してみましょう。
💚答え
28
28の約数は1,2,4,7,14,28 の6個。
このうち,28以外の約数の和は
1+2+4+7+14=28
元の数28になるので,完全数。
💛なかなか見つけるのは大変ですね。でも,遊びながら約数の勉強ができますよ (^^♪
完全数でない自然数を「不完全数」といいますが,その中も分類してあって,
10のような数は約数が不足しているので「不足数」,12のような数は約数が
豊富にあるので「過剰数」,…… まだ他にもありますよ (^^ゞ
自然数を「完全数」「不足数」「過剰数」に分けてみると,面白いかもしれませんね。
「完全数」という名前はピタゴラスが付けたと言われています。
完全数は,そのバランスの良さや美しさはもとより,
旧約聖書の「創世記」で 神は6日で世界を創造したとされていることや,
月の公転周期が28 日であることから,神秘的な存在とされることもあります。
数の間に成り立つ関係は,人々の心を惹きつけて やまなかったんですね。
今のようにテレビやパソコン,ゲームなどの娯楽が無かった時代,
昼間は数や図形を眺め,夜は星を眺める✨……。
興味のある人たちにとっては,心置きなく数学に没頭できたのかもしれません。
今の私たちが学んでいる数学は,先人たちの努力の結晶です。
数学の体系を作り上げてきた方々に感謝です 💕🙏
完全数は とても少なくて,見つかっているのは今のところ51個。
6,28の次は496,8128,3355033366,……
(約数を求めて,確認してみましょう!)
完全数の探求は今も続いていますし,未解決の問題もあって,なかなか奥が深いのです。
一の位が6か8であるのも不思議です。
小川洋子さんの小説『博士の愛した数式』では,「博士」が,完全数28を背番号に持つ
江夏豊投手(阪神タイガース)のファンであることが書かれています。
ちなみに,日本プロ野球で初めて完全試合が達成されたのは,月・日ともに完全数の
1950年6月28日だったそうです。
私の知人にも 6,28を持つ人がいますが,素晴らしいスーパーな人ですよ !(^^)!
完全数,やはり神秘的な何かがあるのでしょうか!?
参考:『話題源数学』(2020)東京法令出版
ウィキペディア
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