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執筆者の写真kibou7kateikyoushi

和算 ~日本の誇る数学~ 盗人算


        写真:備前商工会議所


🍂紅葉が見頃です。見に行くことができないので,写真で楽しみましょう!

上の写真は旧閑谷学校。2本の櫂の木が,赤と黄色に紅葉しています。

閑谷学校(しずたにがっこう)は,江戸時代前期の寛文10年(1670)に

岡山藩主池田光政によって創建された,現存する世界最古の庶民のための公立学校です。

「旧閑谷学校」として特別史跡に指定され,講堂は国宝に指定されています。

現在も,広く生涯学習の場として利用されています。         参考:特別史跡旧閑谷学校

静かで自然豊かで,学ぶには良い環境ですね!

日々生活する環境も学ぶ環境も,目に見えないことまで含めて,

安全で良い状態にしたいですね。




🌳さて,久しぶりの和算は,「盗人算(ぬすびとざん)」。

  吉田光由の『塵劫記(じんこうき)』からの問題です。


🌺問題:盗人たちが,盗んだ絹の反物(たんもの)を橋の下で分けています。

     橋の上を通りかかった人がその声を聞いたところ,

     反物を7反ずつ配ると8反余り8反ずつ配ると7反足りないといいます。

     このとき,反物は全部で何反あるでしょう。

    反物着物を仕立てる前の状態で,筒状に布を巻いたもの。単位は(たん)。

         1反は大人の着物1着分に必要な生地。)      

              参考文献:『絵解き 和算ドリル』西田知己(2024)小学館



『塵劫記』そのままだと教育的には あまりよろしくない

設定ですので,気になる方は

「子供たちがりんごを分けています。…… 」などと,

ちょっと読みかえてくださいね。


それにしても,道行く人に話を聞かれてしまう盗人って,

少々おまぬけさんですね (^^ゞ

このあと お縄になったのでしょうか!?




💛では,考えやすいように,図を描いてみましょう。


  まず「7反ずつ配ると8反余る」ので,下の左[図1]のようになります。


 また,「8反ずつ配ると7反足りない」のですが,少々考えにくいので,

  これを「7反ずつ配って,さらに8反目を配ると7反足りない」と言いかえて,

 「7反ずつ配る」という共通の設定を作り出すといいですよ。

  これは下の右[図2]のようになります。






💛上の2つの図を比べてみると,左右の赤い が同じであるはずだと気づくでしょう。

 つまり 「8反余る」 = 「何反かは分からない」 です。

  よって,[図2]の「8反目」は

           8+ 7= 15

 したがって,盗人の人数も 15人


  盗人の人数が分かれば,反物の数も計算できますね。

  7反/人 × 15+ 8= 113



💛方程式を学習したら,盗人の人数を x (人)とおいて,

  式を立てて解くこともできますよ。




💚数学では,与えられた条件を,意味を変えずに自分で考えやすいように言いかえると

  解きやすくなることがよくあります(英作文などでも同様ですね)。

  問題文そのままを読んでもよく分からないときは,少し見方を変えてみたり

  図・グラフをかいてみたりすると,見えてくるものがあります。

  問題文に惑わされず,本質を見極めましょう (^^)/


 


💛他の和算の記事はこちら

 ・鶴亀算

 ・俵杉算 

 ・小町算 

    ・続々・油分け算 

    ・入れ子算

 ・薬師算

 ・旅人算    

2 Comments


近藤 美華
近藤 美華
Nov 30

盗人算って面白いネーミングですね!

それだけで面白そう!やってみよう!って気持ちになりますね。そう言えば、息子が小学5、6年生の頃に旅人算がありましたけど、親子共々やる気が出なかった思い出が…。難しい顔した先生より、楽しいお話を交えて下さると気持ちのノリが変わってきますね。楽しく語る→もっと聞きたくなる!解いて見たくなる!に気持ちがチェンジしますね!ありがとうございます。

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kibou7kateikyoushi
kibou7kateikyoushi
Dec 02
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いつも読んでいただいてありがとうございます✨

算数・数学が苦手な人でも読めるようにと考えて解答などを書くのですが,

和算って,小学校で学習した内容だけで解こうとすると,

どうやって解けばいいんだろう,と考えてしまいます😅

中学生くらいになると式を立てて解くなどできますが,

小学生にとっては けっこう難しいのでは,と思います。

旅人算を親子で挑戦されたんですね!

旅人算は比較的簡単なものから,難しいものまで,何種類かありますよね。

和算,奥が深いです。

楽しく読んでいただけるよう頑張りますね!

嬉しいコメントをありがとうございます🤗

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